妄想小説(短編)
「このお話、お受けさせていただこうか
 と思います」




・・え?? いま何て?

一瞬、目まいが僕を襲い、鈴木杏樹が
発した言葉をよく理解できなくなった。

動悸が速くなり、頭がぼうっとして
しまう。

しかし同時に、心の中には幸福感の
ようなものが徐々に広がっていき、
高揚感が僕を包んでいった。

10秒近くかかかったようだが、僕は
今まさに、「長年の夢がひとつ叶って
いる」現実を理解しようとしている
ところだった。

「そ、それでは、あの~、ということは、
 鈴木杏樹さんがネコ専務シリーズの
 オープニングを歌っていただけると、

 そういう風に受け取ってよろしいので
 しょうか・・?」

「はい。そう申しあげました。よろしく
 お願いいたします」




 

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