春うララ
【ララー14】




そんな勝負に小春は
ララに難しい漢字を出し
一気に決着つけようと
試みた。







「ふふふ~
『鮟鱇』は?」







先輩は呆けてる…



やった
もしかして勝ち?!







しかし、
それも難なく
答えられてしまった。








「分かるわよ
アンコウよ。

一文字間違えたら
えらいことになるわね」








そんな事は
聞いてません。







先輩酔い過ぎです。







「にしても先輩
なかなかやりますね…」







意外といい勝負だ。






「じゃあ春これは?
『鰤』は何て読む?」







それを見た小春は
頭を悩ませた。







「ええ~
う~ん……

ちょっと待ってください」






魚に師?

魚の師匠って…?

クジラ…?







純粋に難しい。








どうやらこれは
小春には
分からないようだ。







小春は一か八かの
当てずっぽうで答えた。







「は、ハマチ?」








「ぶぶー!!
正解はブリよ」







ついに決着はついた。





この勝負ララの勝ち!






「ホホホ!
悪いわね春。

鍋はいただくわよ」





ララはそう言うと、
春の鍋を没収した。





せっかくの豪華な食事も
鍋を外せば
みずぼらしく見える…






しかも長く戦った
勝負のせいで、
自分の刺身はカピカピ。






「うう…」







泣こうが先輩は
容赦しない。






目の前で美味しそうに
鍋を食べてました。






どさくさに紛れて
茶碗蒸しまで
取らないでください
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