今宵…甘ったるい幸福の中で
雛は携帯の電源を切りテーブルに置いて家を出た。

「よっ」

助手席のドアを開けると洋介が笑っている。


その笑顔を見ると安心して泣きそうになった。


「お疲れ様」

涙をこらえて洋介を労う。

「お~なんか無性に会いたくなっちゃった」

すると勢いよく雛を抱き寄せた。

「昨日も会ったじゃないですか」

照れ臭くて雛は言った。

「俺は毎日会いたいの~」
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