今宵…甘ったるい幸福の中で
高校時代の事を思い出す…

またうまくつき合ってけずに終わるかもしれない…

~

携帯が着信を知らせる。

:洋介先輩

雛は一瞬出るのをためらった。

長く着信音が流れる。

「はい」

『雛…』

珍しく洋介の声のトーンが低い。

「どうしたんですか?」


『いや…つぅか…さっきの女の事だけど』

ああ…篠崎さんの事か…

少し胸がズキッとする。

洋介の腕に絡み付く彼女…

『あいつは…』

「べ、別に気にしてませんから」

洋介の声を遮るように雛が言った。
< 49 / 156 >

この作品をシェア

pagetop