今宵…甘ったるい幸福の中で
『お前、俺の事好きでしょ』

意地悪く洋介が言った。

「はい」

素直に雛は答えた。

『じゃあ付き合ってよ』

穏やかな声で彼は言った。

「あの…付き合う事は少し時間を下さい」

『なんで?』

雛はまだ自信がなかった。

「次の日曜日までには心の準備整えますから」

『わかったよ』
洋介は少し考えて言った。
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