オレンジジュース[短編集]
「う"ぐっ…う"ぇっ…」
「おい、泣くなよ。きったねー。それ以上顔崩れたら見てられんわ」
「うるさい黙ればかっ」
そんないつも通りの憎まれ口も、今はなんて愛おしいんだろう。
「ほら、泣きやめよ。ファミレス行こうぜ!お前の好きな苺パフェおごってやるからさ」
あたしの手を掴むと、ニッと笑って歩き出した。
「今まではどんなに頼んでもおごってくれなかったくせに…」
「"今までは"だろ?」
進の顔を見上げると、満足そうに笑っている。
その顔を見てふと思い出す。
「進…」
「ん??」
「進の願いってなんだったの?」
ぴたりと止まる進の足。
「進…………?」
進の顔をのぞき込んだ瞬間──。
優しく、唇と唇が触れた。
「ひみつ」
*終わり♪*
→あとがきお読み下さいまし^^☆