君に堕ちてしまう。

「なにが?」

「兄さんだよ」

「ああ」

「お前頭大丈夫か」

「失礼なぼけ」

「は」

よかった。
前と一緒だ。

「本当に君とどこかであった気がする」

なんかふしぎなくらいデジャヴ。
ふわふわするの。
君を思い出しそうで胸が締め付けられる。

「なんでこんな時間外にいるんだ」

「そだね。もう帰るよ」

わざわざあたしの家の事情話すくらい
仲良くはないし、面倒くさいから
あたしはまたねも言わずにすぐ帰った。

またすぐ会える気がするから。



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