九十九怪怪
吸血鬼の王子様?
やけを起こす?
大量の下僕?
どこか、現実離れをしていて頭が混乱してしまう。
でも、御陰さんの言い方だと
「………それって、助けてくれた吸血鬼が、王子様かもって事ですか?」
「おそらく、ですが」
「……………嘘」
開いた口が塞がらない。
確かに麗しい青年ではあったけれど………。
そもそも、吸血鬼って王政だったことにもビックリだ。
「私も所詮噂だと思っていましたので、詳しくは聞かなかったのが惜しまれますね…。私は今から管狐の元に言って、今の話をしてきます。彼の人脈と力を駆使して確認してみましょう」
「あっ、お願いします。…父様に体に気をつけてと言っておいて下さい」
「ええ、了解しました。飯綱さんも人間よりは丈夫とはいえ、一睡もしないのは良くないですから、少し横になっていたほうがよろしいですよ」
私もちょっとこのまま学校に行くのは辛いかなと思っていたから、様の言葉に素直に頷いた。そんな私に満足したのか、御陰さんは、父様の居る二階へと上がっていった。