月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
人間離れした人だとは思ってたけど、ついに人の心まで読めるようになったか!?

「いや、お前さっきから一人でブツブツ言ってたし」

え?

まさかと思いながら隣の湯月くんを見る。

「恥ずかしいですよ、旭さん…」

湯月くんが今まで見たことない表情をしていた。

ひゃー!

どんだけ緊張してんだ、あたしは!!

思わずうつむいてしまったが、次の瞬間。

「あ、藤本翼ですよ!旭さん!」

湯月くんの言葉に、あたしはコンマ2秒で顔をあげた。

藤本翼は水色に白いラインの入ったジャージ姿だった。

ショートカットで、少年のような雰囲気はTVで見るのと一緒。

しかしその顔は小さく、輝くような大きな瞳が印象的だった。

「お待たせしました」

杉田さんがあたしたちに向かって頭を下げた。

「はじめまして。杉田と申します」

「藤本翼です」

藤本翼…いや翼さんは頭を下げた後、笑顔であたしたちを見た。

うーん…ホント可愛い。

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