月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
てかなんか周りがキラキラしてる気がする。

これが芸能人オーラってやつ?

舞い上がるあたしたちの横で、達郎兄ちゃんが立ち上がって挨拶した。

「この2人には、自分の助手をつとめてもらいます」

達郎兄ちゃんはそう付け加えた。

「ほぉ、やはり名探偵には助手がつきものなんですね」

杉田さんが眼鏡をあげながら、あたしたちを交互にみた。

…一体、何年前の名探偵の事を言っているんだろう。

てか、名探偵と言われて否定しないのかよ、達郎兄ちゃん。

「ところで今回の件、事前にお伺いしたい事があるのですが」

ソファに座り直すと、達郎兄ちゃんは少し身を乗り出した。

「翼さんは、どなたかに恨まれてるんですか」

杉田さんの眉間に皺が寄った。

「お願いしたのは護衛だけのはずですが」

「護衛は護衛です。根本的な解決策ではありません」

達郎兄ちゃんは退く気がないらしい。

「できる限り力になってやってくれと、兄から言われています」

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