月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
「あれ、それは麗実姉ちゃんより翼さんの方が美人ってこと?」

「なぜそうなる」

「いーこと聞いちゃった~♪麗美姉ちゃんに言ってやろ~♪」

「カホ」

達郎兄ちゃんの手があたしに向かって伸びる。


ぐにゅん


次の瞬間、あたしは鼻をつままれた。

「にゃにふんのよ(なにすんのよ)!?」

しかし達郎兄ちゃんは真顔で無言。

「はにゃひてよぉ(はなしてよ)!」

「お前が悪い」

うー、達郎兄ちゃんマジで怒ってるー。

痛くはないけど、正直恥ずかしい。

チラチラとこちらを見る視線だって、無いわけじゃない。

「やめて下さい、月見さん!」

湯月くんがあたしと達郎兄ちゃんの間に立ってくれた。

きゃあ♪

普段は頼りなくても、さすがは男の子!

こういう時は彼氏らしい行動をとってくれる♪

「旭さんの鼻をつまむぐらいなら、僕の鼻をつまんで下さい!!」

おーい!?ナニ言ってんだオメーは!?

「ピントずれてないか、湯月くん」

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