月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
わかってるけど、そんなストレートな言い方しなくても…。

「ひどいですよ、達郎さん!」

湯月くんが憤然とした顔で間に立った。

そうだそうだ、言ってやれー!

「つまむなら僕の鼻をつまんで下さい!」

またそっちかよォォー!!

「あはは、面白いね、君たち」

杉田さんは煙草に火を点けることも忘れ、あたしたちのやり取りを見て大笑いしていた。

「どうだい、3人でトリオ漫才というのは?」

ううっ…、こんなヨゴレネタで世に出るのは嫌ですぅ…。

「お待たせしました」

楽屋のドアが開き、CM用のフットサルのユニフォームに着替えた翼さんが出てきた。

「じゃあ行こうか」

あたしたちは杉田さんを先頭に歩き出した。

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