月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
達郎兄ちゃんは校門に寄り掛かりながら携帯をいじっていた。
「よぉ、カホ」
飄々とした口調は相変わらずだ。
それでいて憂いを含んだ瞳も相変わらず。
「よぉ、じゃないわよ」
あたしたちと達郎兄ちゃんに向けられた視線を感じながら、あたしは言った。
「なんで学校に…」
そう言いかけたところで、手にしたままのあたしの携帯から、メールの着信音がした。
『近くまで来たから校門で待つ 達郎』
メールにはそうあった。
「ま、そういうことだ」
「そういうことだ、じゃないわよ!」
近くまで来てるなら最初から言えっての。
「よ、久しぶりだな湯月くん」
人の話を聞けー!
その一方で、声を掛けられた湯月くんは、直立不動で立っていた。
「お久し振りです!」
見事なまでの九十度のお辞儀。
湯月くんは達郎兄ちゃんに対して畏敬の念を抱いている。
卒業前の問題解決の糸口は、達郎兄ちゃんが手紙の差出人を湯月くんだと突きとめた事だ。
「よぉ、カホ」
飄々とした口調は相変わらずだ。
それでいて憂いを含んだ瞳も相変わらず。
「よぉ、じゃないわよ」
あたしたちと達郎兄ちゃんに向けられた視線を感じながら、あたしは言った。
「なんで学校に…」
そう言いかけたところで、手にしたままのあたしの携帯から、メールの着信音がした。
『近くまで来たから校門で待つ 達郎』
メールにはそうあった。
「ま、そういうことだ」
「そういうことだ、じゃないわよ!」
近くまで来てるなら最初から言えっての。
「よ、久しぶりだな湯月くん」
人の話を聞けー!
その一方で、声を掛けられた湯月くんは、直立不動で立っていた。
「お久し振りです!」
見事なまでの九十度のお辞儀。
湯月くんは達郎兄ちゃんに対して畏敬の念を抱いている。
卒業前の問題解決の糸口は、達郎兄ちゃんが手紙の差出人を湯月くんだと突きとめた事だ。