月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
「翼さんにしてみりゃいい迷惑よね」

2日連続で爆弾の標的にされるなんて、あり得ないよホント。

もっとも最初のはニセモノで、スタジアムで爆発したのは市販の花火程度の物だったらしいけど。

「あの爆弾、音や煙は派手に出たが、威力は全然。せいぜい翼さんの足をススまみれにするのが関の山だったらしい」

作った本人は、翼さんの足を吹き飛ばせると思い込んでたようだ。

アホが作るもんなんて、そんなもんだ。

「でも達郎兄ちゃん、あのスタッフが爆弾を持ってるなんてよく気付いたね」

フィールド上で、ピンポイントで翼さんを狙うとすれば、PKの際に爆弾ボールを蹴らせるのは、ひとつの手段だろう。

でもそれを、達郎兄ちゃんはどうやって見抜いたんだろう?

「具体的な何かがあったわけじゃない。ただ、あのスタッフの行動がおかしかったんだ」

「?あのスタッフ、何かしたっけ?」

両手に持ってたボールを一個、PKのポイントに置いただけだ。

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