平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「卒業式の日は……」

「?」

 平ちゃんが唇を離して、あたしの目を見る。下から見られてるのに、何で見下ろされてる気分になるの?


「よく、あんな真似してくれたね?

俺を押し倒すなんて。

俺が我慢するの、どれだけ大変だったと思う?」


「え……」



「婚約者になったからには、もう何でもあり、だからね」


 平ちゃんがニヤリ、と意地悪そうに微笑んだ瞬間――。
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