平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「たいら~~~! カオリちゃん~! おばさんお腹減っちゃった~~!!」


 下の階から叫び声が聞こえてきた。



「――!!」


 平ちゃんは瞬時に泣きそうな顔になりながら、「今行くよっ!」と、珍しく声を荒げる。



「あははは」

 あたしが笑うと、平ちゃんは本当に悲しそうに「笑い事じゃないんだよ……」と呟やいた。






 起き上がった平ちゃんが差し出した手を見ながら、あたしは今、未来を感じる。
< 116 / 138 >

この作品をシェア

pagetop