平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「……仕事あるんでしょ!! 後一回だけだからね!!」


 平ちゃんがワーイ、と喜んだのも束の間。


「カオリ、もう一回お……」

「ダメ!!」


 ピシャリと言い放つと、平ちゃんは両頬を大げさなくらい膨らまし、無言で部屋に戻って行ってしまった。



「まったく、子どもなんだから」


 でも、そんな子どもっぽい部分も、負けず嫌いな部分も、全部含めて大好きなんだけどね。



 あたしは食器を下げて、自分の家に戻ることにした。
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