平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「カオリ、おはよう~。俺のこと、待っててくれたの?」


 能天気な声を出しながら隣の家から出てきたのは、あたしの大好きな幼馴染のお兄ちゃん――。


「別に平ちゃんを待ってたわけじゃないよ」



 もちろん、待ってたんだけどね。


 素直になれずに睨み付けると、はいはい、と微笑みながら頭を撫でてくる。


「子ども扱いするな、バーカ」


 ペシッ、と手を払うと、はいはい、と平ちゃんはまた笑う。
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