平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
 反論してみるけどお父さんは、そういうことを言ってるんじゃない、と言って歩いて行ってしまう。


「じゃぁ、俺も行ってきます」


 平ちゃんはクッキーを一枚口に頬張りながらお父さんの後を追うように、駅に向かって行った。



 来週、卒業式だなぁ……。


 平ちゃんの後ろ姿を見ながらふと、そんなことを思い出した。



 もう高校生じゃなくなっちゃうのか。





 大学入学のワクワクなんて全然感じられなかった。
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