平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
 平ちゃんはそんなあたしの顔を見ると、ちょっと困ったように眉を下げて微笑んだ。

 少しだけ申し訳なさそうに。



 嫌な顔見せちゃったね、そんな声が聞こえてきそうだった。



 どこまであたしに優しいのよ。



 再び山田の方を見るときは、もう満面の笑顔で。



「それに、この子、脱いでも凄いんです」

「ちょっ!?」


 み、見てないくせに!


 目を丸くしたあたしと山田を見ると、平ちゃんは楽しそうにあたしの手を引いてその場から去った。
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