平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「じゃぁ手に持ってたゴミ袋投げつけられたら? 汚れちゃうよ?」

「それは嫌っ!!」


 あたしが思わず身を竦(すく)めると、平ちゃんが、もぉ~、と困ったように呟いた。


「俺は、カオリが殴られるなんて、絶対嫌だから」


 殴った相手は翌日どこかに浮いてるかもね、なんてボソッと呟いた声は聞こえなかったことにしよう……。



「平ちゃん、心配し過ぎだよ」


 ホントは心配してくれるのが嬉しいのに、何でありがとうって言えないんだろう。
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