平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「卒業式どうだった?」

 やっと落ち着いて、ベッドに腰掛ける平ちゃん。あたしは真正面の机の椅子に座っている。


「少~し泣いちゃった」


 へへっ、と笑うと、平ちゃんが身を乗り出して頭を撫でてくれる。

「卒業おめでとう。高校生活お疲れ様」


「まだ高校生なんでしょ? あたし」


 今日までとか言われたら、今日までの付き合いってことでしょ?


「うん、そうだよ。でも節目でしょ?」

 平ちゃんは優しく微笑みながら、まだ頭を撫でている。
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