平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「ねぇ、平ちゃんは、あたしのこと、好きなの?」


 ウルウルしてきちゃうなんて、何て情けない。


「カオリ……」


 平ちゃんはあたしの涙に口付けをする。



「好きだよ」




 だったらどうして?




「ごめん」

 大粒の涙を流すあたしを部屋に置いて、平ちゃんはどこかに出て行ったきり、戻ってこなかった。

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