平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「カオリちゃん、大学入学おめでとう」

 おじさんとおばさんは、細長い箱を渡してきた。


「ありがとうございます!」


 大袈裟だけど、あたしの入学祝の会?


「あらあら、そんな……」


 大人同士の遠慮しあいの挨拶もお構いなしに、横でさっさと包装を開けると、ピンクの腕時計が出てきた。


「わぁ、可愛い! ありがとう、おじさん、おばさん」

「いえいえ」



 平ちゃんに似た優しい笑顔で微笑んでくれるのが、今は少し胸に痛い。
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