平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
「あれ? ちょっと、はじまっちゃってるの?」


 トイレの方から戻ってきたのは、スーツ姿の平ちゃんだった。


 きっちりした見慣れないスーツ姿の平ちゃんに、思わずポカーンと口を開けてしまう。


「カオリ、口、開いてる」


 平ちゃんが笑いながら、自分の口元をポンポンと、人差し指で叩きながら、おじさんの横に座った。

「……っ」


 慌てて口を閉じて目を逸らす。
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