欲しいものは..
「先生…?」
私が問い掛けると
先生のとろーんとした目と目が合う
「麗文ちゃん…あれ、
先生昨日から寝ちゃった?」
私は頷いた
「えっ本当?ごめんね。
取りあえず洗面所貸して?」
「せっ洗面所は、
そこの階段の横にありますよ」
さっきのことを思い出すと
動揺してうまく喋れない
洗面所に向かう先生の
後ろ姿を見ながら私は思った
先生は記憶がないんだろうなって
悲しい気持ちと
ほっとする気持ちが半分半分だ