欲しいものは..
prurururu…
ただ昼間の太陽が入り込むだけの
普通の部屋で携帯を見ていると
一階にある電話が家中に鳴り響いた
面倒だと思いつつも携帯を閉じて
階段を下りると急いで受話器を取った
「はい、もしもし」
誰もいない家には私の
声だけが響き渡たる
『あっもしもし、
九住さんのお宅でしょうか?』
受話器から聞こえてきたのは
まだ二十代くらいであろう、
若い男性の声だった
「そうですけども」
『もしかして麗文ちゃん?』
「はい..」
なぜか私の名前を知っていた相手
一体誰なのだろうか?
「あのーぅ、どちら様ですか?」