Frozen Love
緊急手術
「おい、君、大丈夫かね?」
体を揺すられて我に返る。
声のした方を向くと、人の良さそうな顔をした年配の警察官がいた。
「君はさっきここで刺されたお嬢さんの恋人なのかい?」
『俺は……ただの知り合いです』
恋人。
この前まではそうだった。
でも今は違う。
友達でもない。
『あの、彼女は?
由綺はどこにいるんですか?
無事なんですか?』
由綺が倒れてからどのくらい時間がたったのだろう?
「まだわからない。
さきほど近くの病院に運び込まれたばかりだよ」
『そうですか……』
「おいで。
病院まで乗せて行ってあげよう」
俺の表情を見て何かを感じ取ったのだろう。
警官は親切にもそう言ってくれた。