鉄壁魔王と勇者
振り返る事無く、魔王は告げる。

「煩い、ジラル。執務中に居眠りしていたお前が悪い。」

「ちょっと疲れていたんですぅ。魔王様、いい加減休み取りましょうよ、就任してから今のところ休み無しですよ」

その言葉に魔王は、ジラルを無表情のまま見返す。

「お前はよく休めただろう?先程まで気絶していたし」

「それは魔王様がっ!」

表情の無い瞳の温度が、さらに下がったような気がして(実際には下がる事すら無いのだが)ジラルは途中で口を噤む。
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