鉄壁魔王と勇者
「どうしたのだ?」

その場を代表して尋ねる魔王に、従者は、慌てて応えた。

「勇者です!」

人間は、自身と違う存在を破棄しなければ気が済まないものらしい。

時折、人王から"魔王を倒せ"と命ぜられた勇者が、魔王の元へと現れた。

(魔族だけでも煩わしいというのに、全く面倒な)
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