鉄壁魔王と勇者
コツ、コツ…。

静まり返った部屋の中、魔王の足音だけが響く。

「さて、約束だ。名乗るとしよう」

魔王は、勇者の前で立ち止まり、優雅にスカートの裾をつまみ、一礼した。

スカートから、魔王の白い足がチラリと覗き、勇者の視線を釘付けにする。

魔王は気付かず、口上を述べる。

「ご機嫌よう、勇者殿。我(ワレ)は当代の魔王。名前はルシェールという。」

「ふーん、ルシェール、かぁ…。ね、ルシェちゃんって呼んで良い?」
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