鉄壁魔王と勇者
それだけ言うと、魔王は再び手元の書類を確認し、筆をとった。

「ち、ちょ…それだけ?フィーカさん、わざわざ牢から出て、ルシェちゃんに会いに来たのに、それだけ?」

「興味ない。早々にもとの場所に戻ってくれると助かる」

勇者は、床に座り込み、のの字を刻みたくなった。

が、おそらくそれだと放置されたままだろうと思い直し、一計を案じた。
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