鉄壁魔王と勇者
しかし、その抵抗もあっさり無駄に終わる。

勇者が無意味に笑顔笑顔を振り撒き、言ったからだ。

「うん、ジラル君てば意地悪だね。フィーカさんがどうしたいか、とっくに解ってるだろうにね」

「何の事ですか?」

「ふぅん、あくまでシラを切るんだね。まぁいっか。フィーカさんね、ジラル君みたいに、ルシェちゃんの側近になりたいな」

「”勇者”が、“魔王”の側近に成りたいなどと言うとは…。やはり貴方頭ワイてますね」

「失礼だな、君は」
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