苦くて甘い恋愛中毒
君と描く未来
この1ヶ月、目が回るほど慌ただしかった。
両家への挨拶に引っ越し準備、要は要で赴任前に片付けなきゃいけないことが山積みらしい。
そのせいでかつてないほど多忙で、私の誕生日から2ヶ月も会えなかったという裏側を、今になって聞かされた。
私はというと、編集長をはじめ職場の方々に結婚の報告をし、先に入籍だけを済ませ、3月末で切りよく退社することになった。
編集長の知り合いが、ロンドンで日本人向けのフリーペーパーを作っており、春からはその会社で働かせてもらえることになった。
やっぱり今の仕事がすきだから、形は変わっても向こうで仕事を続けたい。
そう要に伝えると、したいようにすればいいと言ってくれた。
いざ辞めるとなると、なんとも言えない切なさのようなものが込み上げてくる。
私にとって、要という存在と同じくらい、仕事が私の中枢にあったのだと思い知った。
支えだったのだと、生き甲斐だったのだと。
仕事を通して、たくさんのことを学んだ。
たくさんの出逢いがあった。
そのすべてが今の私を作ってる。
そのすべてと共に、要と生きていく
そう思ったら、もう怖いものなんかない。