なまけもの
聖の家に(自称)神様が居候している理由を聖は知らない。
というより知りたくもない。
聖の家に居候している(自称)神様の名前は零(レイ)というらしい。
らしいというのは、この手の(阿保な)芝居に本名を使う筈がないという聖の独断である。
「醤油とって」
「嫌だ、めんどい」
「この野郎…」
「野郎じゃないけど」
「揚げ足取りしないで!」
「足は揚がらないよ」
「コイツ…」
だっていくらこいつが白銀の髪が眩しい綺麗な紫色の瞳をもつイケメン←であろうとも
もっもっと納豆ご飯を掻き込んでいる(しかもあたし以上の物ぐさな)やつが神様なんて誰も思うわけがないじゃないか、というのが聖の心理だ。
何よ納豆て、どんなセンスよ!?
ああ腹が立つ!!
「ちょっと」
「何?」
「煩い」
「黙ってたじゃない」
「思考が煩い。永遠に黙れ」
「無理よ!」
この野郎…
「野郎じゃないって。僕男でも女でも無いもんね」
…もんねてなんだ、もんねって!
似合うから尚腹が立つ。
そんな訳(どんな訳だ)で聖は零が嫌いである(様は気に食わないだけ)。