おにんぎょさん




莉子は顔をあげる。


[…え?]

クラスメートはさっき敦子と全員出て行ったものだと思っていた。

だが、
音もなく彼女は自分の目の前に姿を現した。


不思議に思いながらも誘われた喜びでそんなこと考えなかった。



[うん、…あ、でも私教科書ないから探さなきゃ…]


[なら、あたしの見せるよ。行こ?]


[あ、ありがとう。]




< 3 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop