おにんぎょさん
[違うよ。先生、従姉いたんだけどね…行方不明なの。丁度、あなたたちと同じぐらいの時に突然、消えちゃったの。]
先生の突然の言葉に皆が絶句する。
消えちゃったなんて言われるとは思わなかったからだ。
[彼女が直前までいたと思われる部屋にね?大切にこの人形が置いてあったの。…だから、彼女が帰ってくるまで先生が預かっておこうと思って、ね?]
さっきまで大声で聞いていた田中君も黙ってしまった。
───そんなに大切なら持ってこなきゃよかったのに。
ただ一人、莉子はそんなことを思っていた。
[それに…]
先生がまだ話そうとすると同時にチャイムが鳴った。