ペットショップ MARIMO
旅行に行って、長期間、家を留守にする以外は、必ず飼い主が居る。
この家にも例外はなく、飼い主の帰ってくる時間までのリミットが当然ある。
「行かなきゃだめ…だよね」
「駄目ですね」
即答するシンシに、なおも食い下がる葉瑠。
「でもほら、きっと『飼い主に言え』みたいなこと言われるよ?」
「恐らく、そうでしょうね」
シンシが満面の笑顔で返答する。
「じゃあ、解決出来ないね。よし、帰ろう」
元気よく右腕を挙げて訴える。
「だ・め・で・す」
亀からこんな有無を言わさない迫力が出るとは思わなかった。
結局帰ってもいいという許可も出るわけがなく、シンシの背中から降りた。