ペットショップ MARIMO
「ハル様、本日はそろそろ帰らなくてはいけませんので、この辺で。」
シンシに促された葉瑠は、疲れきった表情を隠すことなく、真珠に話し掛ける。
「とにかく、あたしは真珠が太っちゃったからどうにかしてくれって依頼を受けたのよ。だから、当分…いや、もうずっとあなたの期待しているご飯は出て来ないから、諦めて出された食事をしてちょうだい」
そそくさとシンシの背中に登り始めた葉瑠の視界の隅には、『そんなの嫌ですわ』と、ゲージに噛みつく真珠がいた。
「暫くしたら、ちゃんと時間を作ってもう一度来よう」
とは言ったものの、うまく説得できる自信もなく、終始うなだれる葉瑠だった。