ペットショップ MARIMO
「真珠っ、真珠、起きてるんでしょ? ねぇ、真珠っ」
大きな声を出して、ゲージの格子を掴んで揺らし、ガタガタと音を立てる。
「何ですの~?」
音で目を覚ましたのか、家の中から真珠の声がする。
葉瑠はその場に座り込み、胸をなで下ろす。何か、敏感になってしまっているようだ。
もぞもぞとうごめく真珠のお尻が、方向転換して顔を家から出す。
「あらぁ、この間の…はるさんでしたかしら? 本日はどうなさいましたの?」
喋りながら重たい体を動かしこちらへ進んでくる。
自分が思っているよりも、体は罪悪感を感じ、気を張りつめていたようだ。
太ってはいるが、元気に動く真珠を見て、安心したのか、葉瑠の目から涙が零れた。