ペットショップ MARIMO
それは、子犬だった。
ミニチュアシュナウザーだ。お爺ちゃんのような髭がついているように見える、愛らしい顔立ち。
「はるちゃんなのだ。僕は、ペンタなのだ」
「え?」
特徴的な喋り口調に驚いたわけではない。
ペンタと名乗ったことに驚いたのだ。
「ペンタって、熱帯魚の?」
訝しげに聞くと、こくこくと頷いた。
訳が分からず、カジを見る。
葉瑠の口はだらしなく開いている。
「にゃ? ペンタだにょ。葉瑠がちゃんと、MARIMOカードを置いてきたから、ペンタも移すことが出来たにゃ」