ペットショップ MARIMO

「ほら~やっぱり超かわいい~」

そう言って目の前に現れた女子高生二人は、共に携帯電話のカメラをこちらに向けてシャッターを押すところだった。

恐らく彼女たちの携帯には、小さな子犬と、その横にいる亀と、子犬の背中に乗っている、ちっちゃい人が写ることだろう。

気付いたときにはこの至近距離。人形のフリも出来るわけがない。

『『カシャッ』』

同時に2台の携帯からシャッター音が鳴った。

その後、葉瑠が急いでシンシの背中に飛び乗り、猛スピードで走り抜けるのと、彼女たちが、犬の背中に乗っていたのは、人形ではないことに気付くのと、ほぼ同時だった。

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