今宵の月は美しい【完】
「嘘クセー!
女子コーセーと、やりたかっただけだべ!?」

嘘でも、守るなんて言われたのは初めて。

なんだかその言葉が自分に向けられるのは、こそばゆくて、恥ずかしい。

私、人に守ってもらうほど弱い女の子でもないですし。

「そんなことないよ。
でもこんなに簡単に話してくれるなら、もっと早くこうしたら良かった」

「はぁ!?」

「もっと聞きたい事はあるんだけど。
まぁ、追々と。
頼子と仲良くなれて良かった。俺、嫌われてるんだと思ってた」

いろいろと飛び越えすぎだろ…。

「超嫌いだったし…」

なぜに生徒指導の煩い先生の事など、好きでなくてはならないのだ。

昨日の夜泊めてと言ったのだって、中鉢を困らせてやりたいのが半分、何か弱みでも握れないものかと企んだのが半分だ。

「やっぱり、そう!?」

何、ショック受けてるんだ。

こっちがショックだ!!

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