今宵の月は美しい【完】
これに怒られていたなんて。

こんな生活している奴に、生活指導されていたなんて。

「でも、過去なんて良いのさ。
夏目漱石先生も、『それから』だと言ってる」

「ふん、…」

いまさら先生ぶっても無駄だ。

「どうすんの?
私が先生にやられちゃったー!、って校長に言ったら。
チューバチ、明日にでも首飛ぶんだわ」

今、偉いの私ですし。

弱味握られたの、あなたですし。

昨日素直に話してしまった事がなんだか恥ずかしく、私は脅しをかけて見た。


でも、全然利かなかった。

中鉢は生徒指導室にいるときの先生の顔で、天井に向かい煙を吐いた。

「言えばぁ?
夜遊びしてる悪い子が、生徒指導の僕を陥れようとしてるんじゃないですか?、って言ってみるわ、俺は」

「!?」

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