今宵の月は美しい【完】
「たいした知り合いじゃないんで…。
期待しないで下さい…」

眠たくなったら、保健室のベッド使って良いって戸川ちゃんが言ってたよ、とでも伝えたら良いですか。

違う事に使われても、私のせいじゃありませんから。

悪意を込め、私は戸川ちゃんを睨んだ。

戸川ちゃんは気にしないで、ニコニコしている。


コツコツと静かなノックの音。

平気だよ、私と戸川ちゃんしかいない。

「あ、来たね。
こっちこっちー!いらっしゃーい」

「…どうも」

会いたいけど、会いたくないっ!

「お茶とか勝手に飲んでいいからね~!
それじゃ私は!鍵ここに置いて行きます。
戸締りよろしくぅ!バイバーイ」

「お疲れ様です…」

「オツです…」

具合悪いの忘れたよ、あまりのことに。

「………」

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