今宵の月は美しい【完】
「あの女ーぁっ!!」

知ってたのか。

私が自分の気持ちに気付くより先に、中鉢にそんな気が合った事まで…

それは勧めるよな。
告白した?なんて、気になるよな…。

「…むっちゃ苦手なんだよね。
俺…、戸川さん」

「は!?どこがだよ!?」

中鉢くん、とか呼ばれてるし、仲良しさんではないか。

最初はこのふたりがくっつけば良い、なんて思っていた事も忘れて、私はムカついていた。

「だって俺、この高校出てるんだけど、その時からいるんだもん。
15の時から知られてて、未だに先生って呼んでくれないし…。
見た目も変わんないし、なんか怖い」

「だから何歳なの、戸川ちゃんー!?」

わからない!!

「聞いてたより、頼子が元気そうで良かった」

「具合悪いのなんて忘れたよ!どーすんの!?
どーすんの、学校の人にバレて…
もうおうち行ったりしたら、いけないよね?」

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