今宵の月は美しい【完】
中鉢の腕の中でいまさら身を震わせながら、私はさっきイケメンに話した内容を言った。

死ぬー!の所は言わないけど。


中鉢はじっとそれを聞いていて、最後に「ホントに?」、と起こした私の顔を見た。

嘘つくかよ!?こんなこと。


ダメだ、…私はやっぱりこの人好きだ。

死にたくない。

まだ一緒にいたい。


絶対そう思っちゃうと思ったから、イケメンに遺言残して、死ぬつもりだったのにぃ!

「チューバチの言うこと聞く。
どうして欲しい?」

中鉢は困った顔をして、誤魔化すだろうと思った。

「……」

でも彼は、真剣だった表情を緩め、私を抱き締めた。

「頼子、学校辞めて」

「はぁ!?」

な、何を今言いだすのだ…?

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