今宵の月は美しい【完】

※scene13『危険なあなた』

ロッカーの中を誰も居なくなってから片づけ、下校しようとしたら、靴箱に走り書きのメモが入っていた。

『もう帰らせるのは怖いから、そのままうちにおいで』

確かに子供がいるとしたら、吹田さんに蹴られてはかなわない。

制服で中鉢の家に向かうのには抵抗が合ったけれど、私は素直に言う事を聞くことにした。




今日からは、この子もいるから、お化け屋敷で一人ではありません!

だから、ジョニーはいりません!


遅くなって帰ってきた中鉢は、「校長先生と飲んできた」とご機嫌だった。

「まさか言ったの?自分とこの高校生胎ませちゃいましたー!とか」

「いや、結構前からさ、うちの親父が具合が悪いから辞めさせて貰えませんか…なんて匂わせては置いたんだ。
就職先はまだ決まっていないけど、ここの次の人はすぐ入れるらしいよ」

ずいぶん手回しが良い…。

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