今宵の月は美しい【完】
だから手短なところで。
中鉢と戸川ちゃんが、くっついてくれたらいいのにと思ったのだが。

「へぇー、どんな人ぉ?」

「頭がよくて責任感が強い人、どう?」

「わお!良いんじゃない?
他には?」

「とっても聞き上手だよ。
大人だし落ち着いてて、字が綺麗!
あとね!」

私は思いつくまま思いつく限り、中鉢の良所を上げた。

戸川ちゃんは、にこにことそれを聞いていた。

でもあんまり知らないので、すぐ上げ終わった。

だって、えっちがよかったとか、言ったらダメだし。

「…そんな感じ。どう思う?」

「ヨリちゃんがその人のこと、大好きなんだなー、と思うー!」

「へ」

な、何をこの妖精は言って…。

「好きじゃなきゃ、そんなところまで見てないものぉ。
そうなのぉ?
ヨリちゃん、恋してるのねえ」

「だっ誰が、チューバチのことなんて!!」

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