今宵の月は美しい【完】
こうしたら私が、話してしまうことまでバレている。


あ、あぶねえ…!

私はノックの音に、感謝した。

「チューバチ、いる?」

「いるよ。今、画鋲ばらまいたんだ。
足元に気をつけて。
あったか?白石」

私の手に画鋲の箱を握らせ、中鉢は先に立ち上がった。

「うん、…でも、全部ないかも」

「だってさ。
前園、入る前にその上履き、ちゃんと履いとけ」

「うん」

うぉ、…C組のイケメンだ!!

私が来てる事知ってるくせに。
こいつ、何をしに!?

「ちょっと相談。
聞いてくれる?」

そう言ってイケメンは、入口を背に勝手に席に着いた。

「わかった。
白石は戻っていいぞ。反省文は、明日までに提出」

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